当社の起源は、1578年(安土桃山時代)、冨田六右衛門(ろくえもん)が「冨士屋」を創業したときにさかのぼります。
 
六右衛門はもとは近江の国出身で、山形に移んだ後、薬種商として京都や堺を行き来し商売をしていたと伝え聞いております。
 
黒船来航があった1853年には、当時の主人、冨田伝兵衛(でんべえ)は、いくつかあった商いを辞め、呉服一つに専念したそうです。
戦時中には、絹は贅沢品とされ、着物が販売できず、当時はわずかに手に入る端切れで草履の鼻緒を作り、なんとか商いを続けたと聞いています。
 

そして創業から440年あまり。

創業以来、先祖はその都度「私たちはいま、何ができるだろう」という問いをと選択を繰り返してきました。

今日、着物文化や日本の伝統など、長く受け継がれてきた日本固有の文化が見直される一方で、当のつくり手は担い手不足や高齢化によって存続の危機にあります。

桑畑を開墾し、蚕を飼い、生糸をとり、染色し、織り上げ、一針一針心を込めて縫う。

これらそれぞれの手仕事に培われてきた知恵や技術があります。

私たちはこれら継承されてきた文化を守り、そして次の時代のために育てていく挑戦を続けてまいります。

 

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