農家の知恵で夏バテ対策!|熱暑の山形を生きてきた農家の食生活

4・5月は家に籠もらざるをえなかったこともあり、
こうして外出が許された今、外に出て日光を体いっぱい浴びたい方も多いはず。

梅雨が終われば、一気に夏がやってきます。

そろそろ蝉の鳴く声も響いてくるでしょう。

さて、毎年この時期になると体調を崩しがちな私。

屋外は重くのし掛かるような温熱空間の一方で、屋内は「これなら誰も暑くないでしょ!?」と言わんばかりのキンキンに冷えた室内。

自然の過酷さに加えて、住環境の過酷さとも戦わなくてはなりません。

そこで、ときには命がけなほど過酷にもなりうる環境下にあっても、
たくましく元気に働いている(しかも大抵ご長寿!)山形の農家の方に、夏の暑さ対策をお訊きしました。

冬は寒く、夏はアッツいところ、山形。

山形は夏がとても暑い地域だということをご存知でしょうか。

東北=雪国というイメージが強いせいか、冬は寒いのだろうということはわかると思います。

しかし山形は同時に、数年前まで全国で最高気温を記録していたほど、国内でも有数の猛暑地域なのです。

 日本の歴代最高気温ランキング

(出展:気象庁HP「歴代全国ランキング」http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/rankall.php

このランキングをみると、山形が最高気温を記録したのは1933年(83年前)ですから、2007年の岐阜件多治見での記録に塗り替えられるまで、74年間ものあいだ歴代1位だったのです。

そして今は涼しくなった…はずはなく、今も夏はとても暑いのです。

ところで、近年本州を中心に、どれほど急激に気温上昇しているかがわかりますね。

山形の農家で食べられている真夏の郷土料理

山形が国内有数の暑い土地ということが、ここまででお分かりと思います。

しかも74年間も全国一暑かったわけですから、この厳しい夏を乗り越えるための知恵がきっとあるはずです。

そこで当社の養蚕所をいつも手伝っていただいている白鷹町の農家の方に「夏バテ対策」を伺いました。

  • 暑い時間に外に出ない
  • 寝る場所を変える

まだ気温の低い早朝と夕方に畑仕事をし、日中は家の中でできる仕事をして過ごしているそうです。

たしかに、なぜわざわざ暑いのに外に出るのか。危険なら出ない。いたって合理的ですね。

そして、食はすこし山形独特かもしれません。

だし

きゅうり・ナス・しそ・みょうが・昆布などを刻んで混ぜ、冷奴やご飯にのせて食べる。


だし コンビニでも買える

「山形のだし」として東京のスーパーやコンビニで手に入るので、口にしたことのある方も多いのではないでしょうか?

ちなみに、素麺などの冷たい麺類と一緒に合わせても美味しいですよ。

なまじる

氷水に味噌をといてキュウリ・シソを刻み入れて食べる。いわば冷たい味噌汁。

まず名前に多少インパクトがありますが、それ自体はとてもシンプル。
真夏の農作業を終えて、カラダ中に汗をかいた時に、サササーっと喉に流し込んだら、喉越しの爽快感とともに、夏野菜のシャキシャキとして食感が、暑さを吹き飛ばしてくれそうです。

水まま

冷めたごはんに水を注いで、自家製の丸茄子漬けや青菜漬けと一緒に食べる。

水まま 山形夏の料理

驚くなかれ、これは郷土料理として観光協会のHPにも堂々紹介されている、歴とした山形の食文化だそうです。

しかも、ウィキペディアによりますと、

残り飯と保存食を用いた簡易な家庭料理として最上(もがみ)地方中心に古くから伝わっており、食欲の低下する夏場の季節食として素麺や冷麦などと同様に用いられる。また単に涼味を求めるのみならず、暑さにより腐敗の兆しが見えたご飯であっても、表層を洗い流すことで臭みを取り除き、安全に食べることができる経済的かつ合理的な料理である。

と、「経済的かつ合理的な」優れた夏の料理として紹介されています。

 

以上のように、暑さを乗り切るための知恵や郷土料理がいろいろとあることが分かりました。

ただし、何人かに伺っていると、山形県内でも地域や家庭によって、上記の料理を作るところもあれば、知ってすらいないという方もいます。(「水まま」が郷土料理としてあったことなどは、山形育ちの私でも驚きでした。)

 自然に寄り添う丁寧な暮らし

大事なのは自分のカラダに寄り添うこと

以上は、どれも特別な調理や、特別な材料を用いているものではありませんが、
自然とともに生活してきた人々の知恵がつまっているのではないでしょうか。

地元の人は、「ただ採れた野菜を消費しているだけ」というのですが、そのときに実った野菜を食べることで、旬の野菜に含まれる豊富な栄養を「自然と」摂っています。

こうして農家の方からお話を聞いて気づいたことは、

いかに自分が自然と離れて生活をしているかということ。

スーパーに行けば、旬の野菜でなくても大抵のものは手に入りますよね。
旬のものは、旬の時期に食べる。それだけで、十分な栄養が摂れるだなあと、改めて思ったのでした。

無理に自然に勝とう(コントロールしよう)としすぎて、かえって機能不全に陥ってしまいがちな自分はなんて滑稽なのでしょうか。(苦笑!)

結局大事なことは、事前や自分のカラダに寄り添って、丁寧に暮らすことなのだと思います。

なまじる

と、強引にそれっぽい言葉で締めようとしましたが、私が一番言いたいことは、

山形の夏料理をお試しください。

です。

写真は、早速先日の梅雨の晴れ間に試作してみた「なまじる」。

シャキシャキ感が歯触りよく、暑い日の定番にいいですよ!

皆さんも、この夏は旬のものを味わって元気にお過ごしください!!

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